御正体 みしょうたい

工芸品 / 鎌倉

  • 鎌倉
  • ①円形の周縁に覆輪を施し、中央に両腕を別鋳し、肩で装着した金剛界大日如来の半面像を据える。光背は頭光と身光の二重輪光で、上部左右二ヶ所づつ翼状板金の火焔を打つ。釣鐶座は花形で二重菊座のある切子鐶台をつける。一群の中で最も時代が古く、鎌倉期の作と考えられる。
    ②円形の周縁に覆輪を施し、中央に金剛界大日如来坐像を据える。像に火焔付き二重輪光を付けるが、火焔には朱漆を塗る。仏体の台座には細かい線刻を加えている。盤裏に朱漆銘がある。
    ③円形の周縁に幅広の飾覆輪を施し、中央には金剛界大日如来像を鋲止めする。唐草文透彫の舟形光背を負い、頭上には天蓋、像の左右に花瓶を鋲止めする。鍍銀の像、幅広の飾覆輪などはあまり類を見ない。
    ④円形の周縁に三点、二点の笠鋲を打った覆輪を施し、中央に胎蔵界大日如来坐像を据える。像は丸ものに近い半面造であり、両手は別鋳で、肩に蟻ほぞで落とし込む。頭髪、眉目、口唇などに彩色を施す。台座は金銅板の蓮弁を四段に葺き連ね、蓮座には蕊を刻む。釣鐶座は鼻形で魚々子地に花を線刻する。切子鐶台付。
    ⑤円形の終演に覆輪を施し、周縁に金剛界大日如来坐像を据える。像は蓮華座共に一鋳で、唐草文透彫の舟形光背を負う。天蓋の残片が残り、像の左右には花瓶を鋲止めする。盤裏の檜板に墨書銘がある。
  • ①盤径34.8  像高24.7
    ②盤径22.2  像高11.2
    ③盤径31.6  像高18.3
    ④盤径30.4  像高17.0
    ⑤盤径21.5  像高11.0  (㎝)
  • 5面
  • 重文指定年月日:19610217
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 仁科神明宮
  • 国宝・重要文化財(美術品)

神明宮は安曇仁科の御厨(伊勢神宮領)に勧進された社である。一群の御正体は当社に寄進されたもので、伊勢内宮の本地仏である金剛・胎蔵両界の大日如来像を中心にしている。入念な製作であり、弘安銘のあるものを含むため、その前後の作風をうかがい知ることができ、貴重である。

御正体

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