工芸技術 染織
- 選定年月日:19570330
- 記録作成等の措置を講ずべき無形文化財
紫根染【しこんぞめ】や茜染【あかねぞめ】は山野に自生する紫草や茜の根を原料とするもので、古代においては各地で行なわれていた記録があるが、今日伝承しているのはその殖産・保護に努めた旧南部領に限られているようである。秋田県花輪の栗山家に紫根および茜の布染が伝えられ、岩手県岩泉の八重樫【やえかし】家に紫根の糸染が伝えられている。いわゆる南部紫である。
技法としては南部紫の場合、灰汁【あく】媒染にニシコリの灰を用いる。紫根や茜に非常に少なく、採集の困難なものである。