木造伝観音菩薩立像

彫刻 / 鎌倉

  • 鎌倉
  • 1躯
  • 重文指定年月日:19760605
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 清水寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

いわゆる三尺の脇侍菩薩像二躯で、ともに頭・体部を通じて正中線で左右二材矧、割首とする。構造に加えて形制、姿態等は、運慶文治五年(一一八九)の作と認められる神奈川・浄楽寺阿弥陀三尊の両脇侍像に近い。しかし浄楽寺像が均斉のとれた体躯、装飾味をまじえた写実的な深い衣文をもち、全体に張りつめた新鮮な趣きをもっているのに対し、清水寺像の体躯は肉取りに抑揚をつけ、軽快なしなやかさのうちに自然な動きが強調されている。衣文は穏やかに整えられ、面貌も端正な趣きをまし、都風に洗練されたものとなっている。十三世紀後半にはこの系統をひく作品がみられるが、本像はその典型として運慶流の完成したスタイルを最もよく伝える作品である。

木造伝観音菩薩立像

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