木造観音菩薩〈梵天/帝釈天〉立像

彫刻 / 鎌倉

  • 鎌倉
  • 3躯
  • 重文指定年月日:19810609
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 滝山寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

瀧山寺本堂に客仏として安置される三尊像で、いずれも桧材を用いた寄木造である。縁起によれば、本三尊像は源頼朝の三回忌に当る正治三年(一二〇一)、追善供養のために鎌倉時代初期の著名な仏師運慶とその子息湛慶によって制作され、中尊の観音菩薩像は頼朝と等身に造り、像内には彼の鬢の毛と歯を納めたという。X線透視撮影によって頭部内に納入品の存在が確認されたが、目下何であるかは不明である。現在、像表面には後補の極彩色が施され著しく尊容を損ねてはいるが、木部は健全で、三尊共頭体の均衡がよく、充実した姿態を装飾性を加味しながら自然に彫成している。ことに中尊像は、文治五年(一一八九)運慶作の神奈川・浄楽寺阿弥陀三尊像(重文)の両脇侍像の表現に近い。作者について早急な結論は下せないが、鎌倉初頭の運慶一派の仏師の秀れた作例として注目される。

木造観音菩薩〈梵天/帝釈天〉立像

ページトップへ