銹絵滝山水図茶碗〈尾形乾山作/〉
さびえたきさんすいずちゃわん〈おがたけんざんさく〉
工芸品 / 江戸
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尾形乾山
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江戸
- 陶胎、轆轤成形、円形高台を削り出した半筒形の茶碗である。その意匠は胴に白泥を塗って白化粧地とし、マンガン質の絵具(マンガン呉須)にて図様・賛を表わし、口縁を縁取り、さらに高台廻りを除いて内外共に透明釉を掛けている。画は胴の一方に瀑布の景を中心に樹木・楼閣を筆太に描き、他方には左記の画賛を書す。
(画賛)
素色噴成
三伏雪餘波
流作萬年
澗乹山省
書[尚古]
- 口径10.3~10.4 高7.8 高台径5.4~5.5 高台高0.7
- 1口
- 重文指定年月日:19830606
国宝指定年月日:
登録年月日:
- 個人
- 国宝・重要文化財(美術品)
乾山(一六六三~一七四三)の作陶は、元禄十二年(一六九九)京都鳴滝に開窯したのに始まり、寛保三年(一七四三)江戸にて没するまでの五十有余年にわたり、京焼の伝統に立脚しながら銹絵・染付・色絵など特色豊かで多彩な陶磁器を創出した。
これは画・賛ともに乾山の筆と考えられるもので、半筒形の茶碗の一方に瀑布の景を中心に樹木・楼閣を筆太に描き、他方に放胆な書風の画賛を書いている。その筆致は大胆で力強く、かつ詩画一致の優れた絵付になる銹絵茶碗の代表作である。