表具用手漉和紙(美栖紙)製作 ひょうぐようてすきわし(みすがみ)せいさく

文化財保存技術

  • 選定年月日:20090902
  • 選定保存技術

書画の掛幅表具は、多年の経験によって定式化し、現在では美濃紙(肌裏【はだうら】)、美栖紙(中裏ときに増裏)、宇陀【うだ】紙(総裏【そううら】)を三度ないし四度重ねて裏打ちするのが一般である。美栖紙は、奈良県吉野地方で古くから漉かれてきた手漉和紙で楮【こうぞ】を原料とし、これに地元産の白土や胡粉【ごふん】を混じて漉く。その製法は宇陀紙と大差ないが、漉いた段階ですぐ干板に貼る(天日乾燥する)ため薄手でざっくりした感じをもち、腰の柔かさと糊のなじみにすぐれており、表具用の和紙(中裏用)としては不可欠のものである。ところが近年上質の美栖紙を製作する手漉和紙業者が極度に減少しており、文化財の表具にも事欠く恐れがあるので美栖紙の製作技術を積極的に保存伝承する必要がある。

表具用手漉和紙(美栖紙)製作

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