黒綸子地若松紅葉鹿小花文様絞繡小袖
くろりんずじわかまつもみじしかこばなもんようしぼりぬいこそで
工芸品 染織 / 江戸
- 東京都
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江戸
- 表は卍繋に宝文の地紋がある綸子、裏は紅平絹(後補)を用い、間に薄綿を入れた袷仕立ての小袖。黒地と黒及び藍の鹿子絞り地に染め分け、楔形を互い違いに表す。染め分けの境には撚金糸を駒繡する。
刺繡は、平繡、纏繡、留繡、駒繡の技法を用いる。文様は若松文、紅葉に鹿文、小花文の三種類があり、交互に配す。文様のところどころに白線による下絵がある。
右前身頃の脇、襟首、左襟先、左袖肩山などの黒鹿子絞りの一部分は別裂(後補)とする。
- 身丈152.1 裄63.6 (㎝)
- 1領
- 東京都台東区上野公園13-9
- 重文指定年月日:20130619
国宝指定年月日:
登録年月日:
- 独立行政法人国立文化財機構
- 国宝・重要文化財(美術品)
黒綸子地に絞りと刺繡で文様を表した袷仕立ての小袖。鹿子絞り部分は黒地と藍地の二種ある。黒地刺繡部分は、若松、紅葉に鹿、小花の文様を交互に表す。慶長小袖から寛文小袖にいたる文様構成の流れを汲み、江戸時代前期の特徴をよく示した小袖である。
当時の服飾や染織技法を知る上でも欠くことのできない貴重な作品である