上白井西伊熊遺跡は渋川市上白井に所在する遺跡であり、利根川右岸に形成された河岸段丘の西伊熊面上に立地している。
一般国道17号(鯉沢バイパス)改築工事に伴って平成15・16年度に財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団により発掘調査が行われ、旧石器時代の出土品は、平成16年度に出土した。平成18~21年度に旧石器時代資料の整理作業が行われ、平成22年3月に旧石器時代編の報告書を刊行した。
本遺跡第2文化層からは、6,000点を超える後期旧石器時代の石器等が出土し、その多くが接合関係を有する。
また、まとまった礫群が4ヵ所認められている。これらの状況から当時の人々が当地を集中的に利用していたことがうかがえるため、石器製作址としての性格が本遺跡に備わっていたと考えられる。