中村歌右衛門の自来也 なかむらうたえもんのじらいや

版画 木版画

  • 柳斎重春  (享和3(1802)-嘉永6(1853)、作画期:文政4(1821)-嘉永2(1849))
  • りゅうさいしげはる
  • 日本
  • 天保3年(1832)
  • 木版多色刷
  • 39.0×26.0cm
  • 1

本作は、天保3(1832)年に演じられた歌舞伎『柵自来也談』に取材したもの。この歌舞伎は、盗賊である自来也の義勇を中心とする大活劇物である。画面左上には、銀摺で「春の香は残らぬ梅のもみち哉(春の梅花は高貴な香を残すが、同じ紅色でももみじでは香らない。)梅玉」と讚を入れている。自来也の背後に群れをなす子分たちを、淡い色調で描き、先頭にたつ自来也を鮮やかな色彩で配置した構図は見事である。柳斎重春は、春梅斎北英とともに上方浮世絵界の後半を支えた絵師の一人で、本作に見られるうな役者一枚絵をよくし、細やかな文様のある衣裳の表現など、装飾性に富んだ作品を多く残した。

中村歌右衛門の自来也 なかむらうたえもんのじらいや
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