イスパニアに寄る常長 いすぱにあによるつねなが

絵画 日本画

  • 福田恵一  (1895(明治28)年-1956(昭和31)年)
  • フクダ・ケイイチ
  • 大正12年 / 1923年
  • 絹本彩色
  • 111.3×115.8

仙台藩主・伊達政宗の命により、遣欧使節団としてイスパニア(スペイン)とローマへと渡った支倉常長。異国の地で指輪やペンダントをしながらも、髷を結い刀を携えるその姿は、見るものをひきつけるインパクトがあります。イスパニア領国との通商許可願いは聞き入れられず、常長は使命を果たせぬまま帰路につきました。この作品はもともと、大正12(1923)年の日本美術展に《旅愁》という題で出品されていますが、その題名が示すように、任務を完遂できなかった無念さや長旅の疲れが、やや愁いを帯びたその表情にこめられているように思われます。
作者の福田恵一は、広島県福山市の生まれ。東京美術学校を卒業後、東京から大阪、その後京都に住み、教職に就きながら画技を磨きます。帝展を舞台に3度の特選を受賞するなど目ざましい活躍をし、画壇での評価を確かなものとします。綿密な時代考証に基づく歴史人物画を得意としました。

イスパニアに寄る常長 いすぱにあによるつねなが

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