母子

絵画 油彩画

  • 山口薫  (1907-1968)
  • ヤマグチ、カオル
  • 昭和26年 / 1951
  • 油彩・キャンバス・額・1面
  • 80.0×65.0
  • 左下に署名
  • 2回檀会展 東京、資生堂ギャラリー 1951

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母子
Mother and Child
1951年
油彩・麻布
80.0×65.0cm
左下に署名:KaoRu Yamagouti
1951年第2回檀会展(東京、資生堂)
戦前期の山口は、写実的な姿勢を守りつつ、抽象絵画やシュルレアリスムの影響を多少ともうけ、イメージを象徴的に昇華させた抒情性に富む作品を描いていた。そして戦後は身辺の風物を主題に、抽象と写実の狭間で自らの表現をきずいていったといわれている。嬰児を抱く母とその背後に寄り添う馬の親子を描いたこの作品にしても、再現的な描写は抑制され、フォルムがつくりだす色面の自在な構成によって表現されている。とくに、下絵の木炭がすけるほど薄塗りの色面を交錯させることで、画面全体は、ニュアンスに富む深みのある表情をもつことができている。この濁ることのない色彩の響きあいからうまれる拝情性こそ、この作品の主題である母子の愛情の暖かい深さを表現しているといえるだろう。

母子

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