この仏像は下之郷地区の光福寺にある。平成26(2014)年に修復されたときの調査所見によると、像高98.0㎝、螺髪、肉髻珠、白毫相、三道相、耳朶環状、両肩を覆うように納衣を着し、来迎印を結ぶ。足首はあらわさず、台座上に立つ。光背は頭光、身光、周縁部からなる舟形光背。台座は蓮華座である。材質については、阿弥陀如来立像本体はヒノキ材、漆箔、彩色。光背と台座の材質は不明だが、漆箔。構造については、阿弥陀如来立像本体は彫眼、寄木造、内刳、差し首、胸元別材。頭部のみ解体のため体部の詳細な構造は不明。頭部は前後二材。体幹部は正中矧ぎの前面材おび背面材に側面材を矧ぎ寄せている。肩を含む両腕材、両手先、両足先は別材。像底に蓋板を嵌め込んでいる。光背と台座については、未調査のため詳細な構造は不明だが数材を矧ぎ寄せて彫出しているという。胎内から「弘治二年丙辰五月十五日」の墨書銘が発見された。この紀年は室町時代の1556年に当たる。