本件は,栃木県小山市間々田に伝承される蛇祭りで,稲藁や藤蔓,シダなどを材料として作った蛇体を担いで地区内を練り歩き,疫病退散や五穀豊穣,雨乞いなど除災招福が祈願される。蛇体はジャと呼ばれ,7つの町内が1体ずつ作る。当日は,各町内で,蛇よせと称し,蛇体を担いで「ジャーガマイタ,ジャガマイタ」と囃したてながら間々田八幡宮へと向かう。7つの蛇が集結すると,蛇あげといって1体ずつ社殿までの階段を威勢よく担ぎあげて上り,拝殿前で祈祷を受ける。次いで,境内の弁天池に移動し,池に入って蛇体を練り廻ったり,水呑みと称して水を飲ませる所作をしたりする。その後,ジャは再び担がれて各町内へと戻り,練り歩きが行われる。練り歩きの道中では,ジャの来訪を希望する家々に立ち寄り,玄関先にジャの頭を差し込むこともある。また,蛇もみといって,所定の場所でとぐろを巻いて練ったりもする。このようにして町内を巡り終えると,ジャは切断するなどして処分される。かつては,村境に捨てたり,川に流したりしており,蛇体に災厄を託して送る心意がうかがわれる。(解説は指定当時のものです)