とんどは、隠岐の島町内で新春(小正月)に行われる豊年を願う習俗である。一般的には左義長とも呼ばれ、日本各地にみられる火祭りである。多くはそれぞれの地区の海岸に大竹を立てて、その根元に正月飾りなどを集めて置き、これらを燃やすことで豊作・豊漁を願う。隠岐の島町内では各地区でとんどが行われているが、「今津のとんど」はその中でも勇壮なものとして知られている。「今津のとんど」では、大竹にいくつかの横竹を組み合わせ、サイフと呼ばれる袋や吹き流しなどをぶら下げ豪華に飾る。これらを燃やし海へ倒した後、ふんどし姿の男20人程が海へ飛び込み大竹を回収する。この大竹を地区内の祝い事があった家に担いで届ける。
とんどなど正月行事を行うために、今津区内では東組・西組に分かれ隔年で働き番と客番を務めるなど、地区を挙げ組織的に行われており、今津区で受け継がれている習俗である。