来禽図巻 らいきんずかん

絵画 日本画 / 江戸

  • 小原慶山筆  (-1733)
  • おばらけいざん
  • 江戸時代 / 18世紀初期
  • 絹本著色
  • 30.8×588.9
  • 1巻
  • 落款:なし

    印章:「慶山」(白文方印)

    来歴:1989神戸市立博物館

    参考文献:
    ・神戸市立博物館『まじわる文化 つなぐ歴史 むすぶ美―神戸市立博物館名品撰―』図録 2019
    ・國立故宮博物院特別展『交融之美 神戸市立博物館精品展』図録 2019
    ・勝盛典子「世界四大洲図・四十八国人物図屏風考―典拠と成立事情をめぐって」(『神戸市立博物館研究紀要』第31号) 2015
    ・九州国立博物館『トピック展示 視覚×革命 異国と出会った江戸絵画―神戸市立博物館名品展―』図録 2013
    ・神戸市立博物館特別展『コレクションの精華』図録 2008
    ・成澤勝嗣「怪鳥カズワル江戸を歩く―寛政元年渡来のヒクイドリ」(『神戸市立博物館研究紀要』第14号) 1998

小原慶山(?-1733)は丹波国出身の画家。名は雅俊、字は霞光。京都、江戸と移居して、狩野益信(1625-94)に入門し狩野派を学びました。その後、長崎へ移ると、蘭渓若芝(1638-1707)に師事して、唐画を学んだと伝えられます。元禄年間に長崎奉行の御用絵師兼唐絵目利となったとも、宝永年間に唐絵目利に任ぜられたとも伝えられ、その職ゆえ、長崎滞在中の沈南蘋(1682-?)と唐館で対面できた数少ない日本人画家です。

本作品は、貿易で長崎にもたらされた56羽の珍鳥を、鮮やかな色彩で緻密に描いており、孔雀、白鷴、鸚哥、鸚鵡、文鳥、綬帯鳥(サンジャク)、火喰鳥など、さまざまな珍鳥が巻子装の画面に続々と登場します。精緻な描写や丹念かつ鮮やかな色彩からは、舶来の珍鳥のスケッチ集のようなものではなく、実見と写生の成果すなわち本画であることがわかります。巻末には垂直に伸びる樹木にとまる鳥を描いたのち、「慶山」(白文方印)が捺されています。舶来の珍鳥尽くしといえる本作品は、長崎奉行周辺からの発注と考えられます。

【長崎ゆかりの近世絵画】

来禽図巻 らいきんずかん

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