歌舞伎女方 かぶきおんながた

伝統芸能 歌舞伎

  • 指定年月日:20121004
  • 重要無形文化財

 歌舞伎女方は歌舞伎の女役に扮する男優のことで、その役柄は歌舞伎を成立させるうえに欠くことのできないものである。
 歌舞伎の発生は、徳川時代初頭にはじめられた女性中心の芸能にあるが、その後、風紀取締まり等の名目で女優の舞台主演が禁止されたため、男性が女性の役を演ずることになり、その役柄を女方と称した。女方は男性が女性を表現するという特殊な条件から、次第に独自の演技術を確立するようになり、女方の役柄も時代によって分化して若女方、さらにはふけ女方等の専門化の道をたどった。しかし脚本の複雑化にともなって、立役【たちやく】からこれを兼ねるものも現れ、さらには座の制度が崩れてきたところから役柄の区別も次第に曖昧になってきている。
 以上のように、歌舞伎における女方の技芸は、芸術上高度の価値を有するばかりでなく、芸能史上においても極めて重要な地位を占めるものである。

歌舞伎女方

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