絵画 東洋画(日本画を除く) / 宋
中国南宋時代の臨済宗の高僧,無準師範の半身を描く画像である。無準のもとには日本からも多くの禅僧が留学し,鎌倉時代以降の日本の禅宗に大きな影響を及ぼした。本図には画面上部に着賛があり,これにより1254年頃に描かれた作品であることがわかる。南宋時代の人物画の優品であり,また日本において半身の祖師像が展開する文化的背景を考える上でも示唆を与える作例である。東福寺では,全身を描く国宝「無準師範像」と同じ木箱に納められて伝来したもので,その文化史的重要性は高く評価される。