木造浮彫(香合仏)愛染明王像
附 光背(蓮弁型・雲文) 一点
台座 一点
厨子 一基
もくぞううきぼり(こうごうぶつ)あいぜんみょうおうぞう
つけたり こうはい(れんべんがた・う
んもん) 1てん
だいざ 1てん
ずし 1てん
彫刻 木像 / 鎌倉
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不明
- 山形県
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鎌倉時代 / 1185~1333
- 印籠蓋造りの木製円形の香合形の内部に愛染明王像を浮き彫りしたものを、後補の光背の一方に嵌め込み、同じく後補の台座に立てられている。
形状は通形の愛染明王像と同様に一面六臂で、焔髪とし頭上には獅子冠を戴きその頂に五鈷を表す。瞋目忿怒相で開口し歯牙を表す。三道彫出。条帛をつける。左手第一手はやや屈臂して膝上で五鈷鈴を握り、第二手は横に伸ばして弓を握り、第三手は屈臂して上にあげ拳をつくる。右手は第一手は屈臂して胸前で五鈷杵を握り、第二手は横にあげて屈臂して矢を握り、第三手は屈臂して上にあげ未開式蓮華の茎を握る。各手には紐2条の臂釧、腕釧をつける。裙を付け右足を上にして蓮台上に結跏趺座する。蓮台の下に飾り紐を付けた宝瓶を表し、さらにその下に2重の反花座を表す。
彩色は全体に赤く染色されている。
- 像高4.3㎝(台座・連弁含む)
(像のみ 高さ3.0㎝ 膝張2.0㎝)
香合部径6.0㎝
光背(蓮弁形・雲文) 高さ10.6㎝ 奥行3.8㎝ 幅7.4㎝
厨子 高さ27,5㎝ 奥行12.3㎝ 幅18.9㎝
- 1個
- 山形市七日町1-4-12
- 山形市指定
指定年月日:20191002
- 宗教法人 慈光明院
- 有形文化財(美術工芸品)
本像を所蔵する慈光明院は、昭和25年に(1950)に山形市に創建された寺院であり、本像を含め所蔵する仏像等の多くは、もと寒河江・慈恩寺の一院である禅定院から移されたものである。したがって、本像は慈恩寺由来の遺品と考えられる。鎌倉時代の慈恩寺における真言宗の様相の一端を示すものとも思われる。