建造物 住居建築 / 江戸
徳善家住宅は,徳島県西部の山岳地帯,祖谷山の西端,大歩危峡近くの尾根上に所在する。中世に当地に入った武士の家系で,近世には祖谷をおさめる祖谷八家の一つとなった。主屋は慶応2年(1866)の建設で,公式の接客の場である上座敷と下座敷は質実で格式を示す。私的な接客の中座敷と奥座敷は柔和な意匠である。豊かな接客空間を,広い台所などゆとりある居住空間とともに大きな屋根で覆う姿は雄壮である。徳善家住宅は,山岳地帯における上層農家の住宅が近世末までに発展した姿を示しており,貴重である。
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木村家住宅(徳島県三好市東祖谷) 隠居屋
木村家住宅(徳島県三好市東祖谷) 主屋
武知家住宅(徳島県名西郡石井町) 下部家