養老川流域田淵の地磁気逆転地層 ようろうがわりゅういきたぶちのちじきぎゃくてんちそう

天然記念物 地質鉱物

  • 指定年月日:20181015
    管理団体名:
  • 史跡名勝天然記念物

養老川が房総丘陵を侵食して露出した,第四紀前期更新世と中期更新世境界付近の砂泥質の地層(上総層群(かずさそうぐん)国本層(こくもとそう))で,地球磁場の逆転現象の記録を良好に保存している。千葉県市原市田淵の養老川本流及びその支流では,砂泥層を主体として何枚かの火山灰層を挟み,層厚約60mが露出し,現在の御嶽山付近から飛来・堆積した白尾(びゃくび)火山灰層(Byk-E)の付近で,地磁気の逆転が確認された。加えて,白尾火山灰層の噴出年代は約77万前と決められた。火山灰層と地磁気逆転が確認された地層が極めて隣接していること,前期更新世と中期更新世の境目は松山逆磁極期と現在の磁極期(ブリュンヌ正磁極期)との境界付近と定義されていることなどを踏まえれば,噴出年代と地磁気逆転の年代は誤差の範囲で一致すると考えられ,得られた年代は地磁気の逆転だけでなく地質時代境界の年代を特定するためにも意義がある。これらの一連の地層が露頭面上で容易に観察でき,火山灰層によって視覚的に確認可能でかつ年代が確認されている場所は他に例がなく,学術上極めて価値が高い。

養老川流域田淵の地磁気逆転地層

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