この露頭では、三浦半島でもっとも古い葉山層群の上に、これより新しい三浦層群逗子層(おもにシルト岩、基底に砂礫岩)が「傾斜不整合」の関係で重なっている様子が観察できる。ここに見られる地層の研究からは、葉山層群の堆積後、新第三紀中新世の前期に起こった造山運動によって、それまで海底だったこの地域が隆起して山となり、丹沢から房総へと続く、ひとつの隆起帯が出現したことが明らかとなった。その後、沈降して逗子層が堆積した後にも造山運動が起こり、現在の三浦半島の地形が形成されたといわれる。
また、このような「傾斜不整合」の関係は、露頭における不整合面および基底礫岩層の存在や、不整合面を境に地層面が斜交していることよって、知ることができる。この露頭は、典型的な傾斜不整合を良好に観察できる例として、地質学的にも貴重な資料である。