日日の凍結の生理

絵画 日本画

  • 三上誠  (1919-1972)
  • ミカミ、マコト
  • 昭和44年頃 / c.1969
  • 彩色・紙本・額・1面
  • 137.0×121.5

67 三上誠(1919−1972) 日日の凍結の生理 1969年頃
 大阪市生まれ。福井で育つ。旧姓嶋田。京都市立絵画専門学校卒業後、同校副手を務める。1948年山崎隆、星野眞吾らと日本画の革新を掲げたパンリアルを京都で結成。翌年パンリアル美術協会と改称し再出発、「パンリアル宣言」を発表し第1回展を開催。51年同会会長。72年肺結核で死去。78年福井県立美術館で個展、85年同美術館で星野との二人展、90年O美術館で個展。
 ホルマリンを塗布して硬化させた白地の上下二面から成る画面。湿った布で黒い岩絵具をこすり落として生じた柔和な諧調と、硬く細い線描とが呼応し合い、無機的な線や図形、数字や丸と写実的な手や眼、葉や臓器に似た有機的形象とが共存する不思議な世界を、灸点を結んだ人物が下で支えている。自ら受けた鍼灸術の治療に想を得て、三上は1966年頃から経絡図風の人体図を展開させ、東洋と西洋、内と外、人体と宇宙が通じ合う独自の世界を切り拓いた。

日日の凍結の生理

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