明
光沢のある絖(ぬめ)に観音菩薩を繊細な筆致で描く。黄檗宗(おうばくしゅう)総本山の萬福寺に同じく陳賢(ちんけん)筆「観音画帖」(崇禎九年(一六三六)、重要文化財)があり、本図は元来、この画帖の一部であったのであろう。賛は即非如一(そくひにょいつ)が「丁酉臘月」、すなわち来日間もない明・永暦十一年(明暦三、一六五七)の陰暦十二月に長崎の崇福寺で加えたもの。
絖本淡彩観音図〈陳賢筆/崇禎九年の款記がある/(十八図)〉
陳賢
列祖図冊
逸然性融筆 隠元隆琦序 木庵性瑫賛 木庵性瑫跋
即非如一像
喜多元規筆 即非如一自賛