首題下に朱印「神護寺」が捺される神護寺伝来の一巻。神護寺と言えば、平安時代後期に鳥羽天皇の勅願で制作された紺紙金字一切経が有名であるが、『神護寺略記』によると当寺根本御経、金泥一切経、唐本経(宋版一切経)の三部の一切経があったことが知られる。本経は和気清磨呂が八幡神の託宣を受けたことに端を発し、天長十年(八三三)、仁明天皇の命によって書写され、五大堂に納められた根本御経一切経のうちの一巻と考えられる。
大智度論(神護寺経)
紺紙金字大智度論〈巻第十一〉(神護寺経)
大宝積経巻第四十六