奈良
称徳天皇(七一八~七〇)が先帝、聖武天皇の追善のために発願し、天平宝字六年(七六二)から神護景雲四年(七七〇)にかけて書写させた一切経のうちの一巻。巻末に「神護景雲二年(七六八)五月十三日」付けの願文がみられることから、「神護景雲経」「称徳天皇御願経」と呼ばれる。願文の末尾に仏の功徳を褒め讃える偈頌(詩)が附されているのも珍しい。大ぶりで力強い筆致は奈良時代後期の写経の特徴とされる。
十誦律第四誦巻第二十五(称徳天皇御願経)
根本説一切有部苾蒭尼毘奈耶巻第九(光明皇后御願経・五月一日経)
続高僧伝巻第二十八(光明皇后御願経・五月一日経)