中国後漢時代の銅鏡。鈕は高い。鈕の周囲に方形区画があり、山岳状の文様が入る。内区には脇侍を従えた西王母と東王父が対称に表現される。その間には虎と騎馬人物像が対象に配される。騎馬像を除きそれぞれに「西王母」「東王公女」「白乕」の銘がある。西王母の前には倒立する軽業士が表わされている。外区は流雲文が入る。銅色は暗い緑色で、明るい部分は表面的な腐食である。鏡面には数枚の古銭が付着していたような痕跡が見られる。
画像が大きく鮮明に表現されていて見栄えが良い。展示効果の高い銅鏡である。本鏡は梅原末治の『紹興古鏡聚英』37番に掲載されており、そこでは「欧州某氏蔵」と記されている。