わが国最大規模の黒曜石産出地・赤石山の山麓に所在する白滝遺跡群からの出土品。23箇所の遺跡から数約669万点、総重量約12トンもの遺物が出土した。本件はそのうち、服部台2・奥白滝1・上白滝2・上白滝5・上白滝7・上白滝8遺跡の出土品(平成23年重要文化財)に、その後整理が完了した白滝15遺跡の出土品を加えた1,965点で構成される。
遺物は後期旧石器時代前半期の小形剝片石器を主体として石刃技法が顕著な石器群と、同時代後半期の細石刃石器群、および細石刃石器群に優美で精巧な作りの尖頭器を伴う石器群などに分けられる。特に、尖頭器石器群には全長36.3cmの超大形の個体や、多数の木葉形尖頭器が含まれ、それらの製作にかかわる多数の剝片や石核が接合した接合資料も豊富である。
わが国の旧石器時代遺跡出土品の中でもその内容・質量は群を抜き、世界的に見ても稀有な内容を持つ一括として、国宝に相応しい。