東山紺野遺跡出土の黒曜石製石器 ひがしやまこんのいせきしゅつどのこくようせきせいせっき

考古資料 石器・石製品類 / 旧石器

  • 後期旧石器時代終末期 / 約1万6千年前~1万5千年前
  • いずれも石材は黒曜石であり、片刃石斧は片面を周縁に沿って打剥して縦長で平行の細かな刃がつけられている。尖頭器も同じように周縁部を剥離させて刃がつけられているが、こちらは両刃となっている。また、長さも石斧に比べると短く、槍状に先端部が尖っていたと思われるが、その先端部は欠損している。
  • ①片刃石斧(長さ12.2cm、幅4.9cm)
    ②尖頭器(長さ9.2cm、幅4cm)
    ①・②いずれの側面にも欠損箇所が認められる。
  • 2点
  • 小国町指定
    指定年月日:40070326
  • 有形文化財(美術工芸品)

本資料は、約1万6千~5千年前に当地へきた人々が残した東山紺野遺跡から出土した石器群の一部であり、当該石器の他に頁岩製の尖頭器、掻器、削器、石刃なども出土している。これらは完成品として持ち込まれたものであり、一括埋納石器であった可能性が指摘されている。編年上、「神子柴・長者久保石器群」という旧石器時代終末期の石器群に位置づけられるが、この時期のまとまった資料はきわめて少なく、この文化が当町にも及んでいたことを裏付ける貴重な資料といえる。また、本資料の石材である黒曜石の産地を同定したところ、どちらも青森県深浦産であることが判明している。このことは旧石器時代における広範な人々の移動と石材流通の存在を示している。

東山紺野遺跡出土の黒曜石製石器

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