陸奥国仙台領元禄国絵図関係資料 むつのくにせんだいりょうげんろくくにえずかんけいしりょう

歴史資料/書跡・典籍/古文書 絵図・地図 / 江戸

  • 宮城県
  • 江戸時代
  • 一、国絵図 4点
    一、絵図類 49点
    一、文書・記録類 212点
  • 宮城県仙台市泉区紫山1-1-1
  • 重文指定年月日:20170915
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 宮城県
  • 国宝・重要文化財(美術品)

元禄10年(1697)に開始され同15年に終了した元禄国絵図事業において、幕府は各藩に対し正保国絵図との相違点を明らかにさせ各領域の実態把握を進めるとともに、特に各国郡境筋の明確化と一国内の往還筋の距離計測の基準の統一を要求し、統一の仕様にて各国絵図を徴収し最終的に日本図の作成を企図した。
 本件は、この元禄国絵図事業において、仙台藩にて作成、授受された絵図類及び文書・記録類からなり、同藩に一括して伝来した。
 国絵図は元禄12年提出図3鋪及び同14年改訂図1鋪の4鋪を数える。陸奥国は絵図元7藩にて分割作成され幕府に献上されたため、本国絵図の描写範囲は仙台領に限られるが、各図ともに1里6寸(約21,600分の1)の縮尺にて描かれ、南北方向約8・5メートル、東西方向5メートル強と全国絵図中最大の法量を測る。改訂図は、国郡境の明確化を意図した幕府の要請により再提出したものの藩扣図で、当該期の仙台領の地物、地名を知るうえにおいて基礎資料であるとともに、元禄国絵図成立の経緯をうかがうことができる点も注目される。
 絵図類は、仙台藩もしくは隣藩が作成した「御本之小絵図」3点、「際絵図」20点、「(陸)・海際絵図」2点、「際絵図之切形絵図」13点、道程絵図2点の計40点と、藩内郡司等が作成した「御郡司扱切之絵図」8点、郡境取替絵図1点の計9点の都合49点が伝存し、国絵図作成経過の具体を示すものである。
 文書・記録類は、元禄15年2月から8月にかけて行われた、陸奥国道程書上献上に関係し仙台藩にて作成、授受された資料群が大半を占め、ほかに国絵図とあわせ幕府に献上された郷帳、変地帳の扣、本国絵図事業の経緯を記録した御国絵図記録等がある。
 本資料群は元禄国絵図事業に関係する絵図類と文書・記録類が質量ともにまとまって残る稀有な事例として、元禄国絵図ひいては国絵図研究上に重要であり、絵図史、政治史等研究上に学術価値が高い。

陸奥国仙台領元禄国絵図関係資料

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