中国の湖南省北部に位置する洞庭湖は、古くから山水画に描かれてきた景勝地である。明治43年、中国を旅行した大観はこの湖の近くを訪れており、その体験が本作に生かされたのだろう。絹地に淡く美しいぼかしが広がるこの幻想的な作風は、大正期の大観作品に特有のものである。
洞庭の夜
横山大観筆
夜
横山大観
木菟