銅色絵蘭陵王置物〈海野勝珉作/〉 どういろえらんりょうおうおきもの〈うんのしょうみんさく/〉

工芸品 金工 / 明治

  • 海野勝珉
  • 東京都
  • 明治 / 1890
  •  銅を主体とし、主として鍛造により製作した各部に、さまざまな色(いろ)金(がね)を用いて彫金を加え、顔貌や細部の文様を表現している。特に、装束の立体的な文様は、肉合(ししあい)彫りにより凹凸をつけた銅地金に鑞(ろう)材を塗り、色金の板を焼き付けて鑞付けする色絵の技法が用いられている。演者の被る陵王面は取り外し可能で、右手に持つ桴(ばち)は螺子で留める仕掛けとしている。
  • (蘭陵王)高33.5cm 幅32.0cm 奥行28.0cm 重量4.56kg 
    (面箱)高9.9cm 幅10.2cm 奥行14.5cm 
    (台)高10.7cm 幅61.0cm 奥行55.0cm
  • 1軀
  • 東京都千代田区千代田1-8皇居東御苑内
  • 重文指定年月日:20230627
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 国(文化庁保管)
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 舞楽「蘭陵王」を舞う演者の姿を模した置物である。明治時代に活躍した彫金家、海野勝珉(一八四四~一九一五)が製作したもので、第三回内国勧業博覧会に出品され、一等妙技賞を受賞した。
 銅を主体とし、主として鍛造により製作した各部に、さまざまな色金を用いて彫金を加え、顔貌や細部の文様を表現している。特に、装束の立体的な文様は、肉合(ししあい)彫りにより凹凸をつけた銅地金に鑞(ろう)材を塗り、色金の板を焼き付けて鑞付けする色絵の技法が用いられている。演者の被る陵王面は取り外し可能で、右手に持つ桴(ばち)は螺子で留める仕掛けとしている。
 本作品は、近世以来の装剣金具に用いる彫金技法を駆使し、そこへ近代彫刻的な要素を加味した、海野勝珉の代表作であり、明治中頃という時代を象徴する金工作品であるともいえる。
 また、本作品に附属する黒檀地(こくたんじ)木画(もくが)花文面箱および台は、木工家の木内半古(一八五五~一九三三)の手になるものである。

銅色絵蘭陵王置物〈海野勝珉作/〉

ページトップへ