近江国の鉄砲鍛冶出身で、江戸時代後期の卓越した技術者・科学者である国友一貫斎(1778~1840)の家に伝来した資料群である。一貫斎は同時代の知識人や技術者との交流を通じて西洋の科学技術に関する知識を習得し、反射望遠鏡や気砲等の機器を自身で考案、制作するに至った。本資料は一貫斎自作の反射望遠鏡1点、レンズ等望遠鏡部品を含む器物類101点、鉄砲の生産や発受注に関わる古文書などの文書・記録類703点、銃砲や制作品、太陽の黒点や月面観測記録などの図面類120点、典籍類16点、書画類12点の合計953点から構成され、一貫斎の事績を明らかにする。江戸時代後期の銃砲史、科学技術史上に学術的価値が高い。