箱根火山中央火口丘に属する二子山の山頂付近は、母岩が露出し、また地形的に風当りが強く高木となる樹木の生育が困難である。このような環境条件の厳しい極端な立地には特有の風衝植物群落が生育している。ハコネコメツツジ(町指定天然記念物)、ハコネハナヒリノキ、ベニバナツクバネウツギ等の低木類と、ウラハグサ、イワニンジン、キンレイカ、フジアカショウマ、シモツケソウ、ハコネトリカブト、ヒメイワカガミ、オノエラン、ハコネギク等の草本類で構成されるオノエラン―ハコネコメツツジ群集と呼ばれる植物社会である。オノエラン―ハコネツツジ群集は、箱根地域を含むフォッサマグナ地域特有の植物に富み、貧養で乾湿差の大きな風衝下の厳しい立地条件のもとに生育している。人為的影響には極めて敏感な遺存的植生であり、指定地内の立入りは禁止されている。