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安田靫彦
大観先生像 一面
額装 紙本彩色
縦九一・五 横七一・五
昭和時代 昭和二十五年(一九五〇)
東京国立近代美術館
安田靫彦(一八八四〜一九七八)は、はじめ小掘鞠音に師事し、日本美術院第一回展に出品。一九一四年には日本美術院の再興に創立同人として参加し、以後、岡倉天心門下の兄弟子にあたる横山大観を助けて、多年にわたって行動を共にした。第三五回院展に出品されたこの作品は、一九四一年に小林古径、梅原龍三郎、安井曽太郎らとともに大観の肖像を描く会を催したときの写生に基づくもので、新古典主義の歴史画の第一人者、靫彦ならではの端正に取りまとめられた構図のなかに、晩年の大観のものごしや風格がにじみ出ている。