女の肖像(サルタンバンク・シリーズのうち)

版画 その他

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パブロ・ピカソ(1881−1973)
PICASSO,Pablo

女の肖像(サルタンバンク・シリーズのうち)
Head of a Woman (from the Saltimbanques Series)
明治38年(ヴォラール版・大正2年)
1905(Edition Vollard,printed 1913)
東京国立近代美術館蔵(山口貴久男・美恵夫妻寄贈)

ピカソの「青」と「バラ色」,この二つの時代(1901−06年)は,非人間的なものになりつつある近代社会から排除され孤立する人間存在に画家がもっとも肉薄し,深い共感を示した時代でもある。≪サルタンバンクの家族≫(1905年,ワシントン,ナショナル・ギャラリー蔵)にその絶頂を見るピカソの透徹した視線は,このドライポイントによるあまりに鋭利な線によって刻まれた神経質で病的な女の横顔に遺憾なく発揮されている。1905年の初版を1913年に画商ヴォラールが刷り直したものの一枚。サルタンバンクとは大道の曲芸師をいう。


女の肖像(サルタンバンク・シリーズのうち)

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