梵鐘 ぼんしょう

工芸品 / 奈良

  • 福井県
  • 奈良 / 770
  • 鋳銅製。龍頭は宝珠火焔を欠損するが、厚みのある力強い構成でしっかと笠上を噛む形に作る。笠形はやや中央に小高く盛り、圏條二本をめぐらして内外二区に分かち、笠上周辺に近く二カ所を龍頭と直角にとっている。肩以下は、外型二段を池の間の中央よりやや下方で重ね、上下帯素文、乳は簡素な形のものを三段五列並列し、撞座はその平面を龍頭側円とを平行にとる古式な位置をとり、一方を十一弁、他を十弁とし、単弁で左右に幅広く、高さは肩までの四割以上にある。銘文は草の間一区に三行十六字を陽鋳する。駒の爪は単に三条の紐を表すのみ。口径に対して鐘身丈低く、それほど大型ではないものの堂々たる趣を見せる。
  • 総高110.0 龍頭高13.6 笠形高7.9 肩以下高88.5
    撞座中心高31.5 口径74.0 笠径53.6 撞座径(横)12.4 (縦)11.5
    口唇厚5.7 (㎝)
  • 1口
  • 福井県丹生郡越前町織田153-1-8
  • 重文指定年月日:19020417
    国宝指定年月日:19560628
    登録年月日:
  • 劔神社
  • 国宝・重要文化財(美術品)

鐘の形状、細部の手法などは奈良時代の特色をよく示し、龍頭は形状優れ、肌の荒びと相まって趣を呈する。奈良時代の紀年銘を有する鐘三口のうちの一つである。

梵鐘

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