工芸品 / 鎌倉
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鎌倉
- 銅の円板を皿形に打ち、これに宝相華唐草文を切り透かす。外面は肉彫りとして、時に線刻を用い、内外両面を鍍金し、外部は花弁など随所を鍍銀する。縁には同じく鍍金の覆輪をかけ、底面三カ所には釣鐶を打ち、組緒を総角に結んで提げ、その先端に円頂八角錘体の金堂露金具を付す。文様は中央より放射状に三区に分けて三方相称とし、巧にまとめあげる。この図様には二種あり、技巧図柄ともに優れた古式のものが五枚と、そのほかの十一枚とに分けられる。
- 径28.5内外 深3.9内外 露金具長4.2 (㎝)
- 16枚
- 重文指定年月日:19370525
国宝指定年月日:19521122
登録年月日:
- 神照寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
華籠は法会の際に散華を盛る器で、竹や乾漆製のものもある。本華籠は、銅の円板を皿形に打って、その全面に宝相華唐草文を地透かしにし、鍍金、鍍銀を施したものである。
錯雑した文様を巧に駆使して生硬に陥らず、細部の仕上げにも拘泥していない。自在に鏨を駆使して優婉な趣を発揮しており、彫金工芸の遺品の中でも屈指の優品といえる。