髙島屋東京店は,日本橋から銀座へ向かう中央通りに西面する街区に建つ。
鉄骨鉄筋コンクリート造,地上8階建,地下3階建で,塔屋を設け,間口約65m,奥行約115m の規模を有する。
髙島屋東京店は,中央通りに面する部分(現在の街区の西方約三分の一)が,高橋貞太郎による建築図案競技一等の実施案に基づき建設され,昭和8年に竣工した。戦後,村野藤吾の設計になる増築によって,一街区全体を占める現在の建物が完成した。
髙島屋東京店は,西欧の歴史様式に日本的な要素を加味した高橋による当初部分と,近代建築の手法を駆使した村野の設計による増築部分からなるが,全体が一体不可分の建築作品として完成度が高く,わが国の百貨店建築を代表するものの一つとして重要である。