鋳銅刻画蔵王権現像 ちゅうどうこくがざおうごんげんぞう

工芸品 / 平安

  • 平安 / 1001
  • 台座と下辺を失うが、仏像の光背に類似した三葉形の主要部分を存している。表面は琢磨競られた平滑な面に、流麗自在な細線彫で中央に大きく蔵王権現忿怒降魔の相姿を描く。蔵王の左右には、左19人、右12人の眷属がが守護するように取り囲む。裏面は周縁に低い広縁を鋳出し、中央に大きく弥陀の種子を、それを囲んで左下より弥勒、阿閦、胎蔵界の大日、釈迦の四つの種子を配し、さらに周縁に沿って、聖観音の真言と胎蔵界大日の真言(いずれも梵字)が記されている。また「長保三年辛丑四月十日辛亥内匠寮史生壬生□」の籠字銘を刻す。
  • 縦67.0 横76.3 (㎝)
  • 1面
  • 重文指定年月日:19350430
    国宝指定年月日:19510609
    登録年月日:
  • 総持寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

多数の眷族を従える蔵王権現を三葉光背形の分厚な鋳銅板に線彫で描いた物。蔵王権現の御正体の遺品のうちでは特大であり、また長保3年(1001)は年代的にも最も古い。もとは奈良県吉野群の金峯山から発掘されたものであるが、明治38年に当寺に寄進された。

鋳銅刻画蔵王権現像

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