刀〈金象嵌銘長谷部国重本阿花押(名物へし切長谷部)/黒田筑前守〉 かたな〈きんぞうがんめいはせべくにしげほんあかおう(めいぶつへしきりはせべ)/くろだちくぜんのかみ〉

工芸品 / 南北朝

  • 長谷部国重
  • 福岡県
  • 南北朝
  • 鎬造、庵棟、身幅広く、重ね薄く、反り浅く、鋒大。鍛小板目肌よく約り、地沸つく。刃文互の目、小湾を基調とした皆焼、匂口冴え、小沸つく。帽子乱れ込み、表小丸、裏尖りごころに強く返り、掃きかけかかる。彫表裏棒樋を掻通し、樋先下る。茎大磨上、栗尻、新鑢目切、目釘孔四。指裏に極め、表に所持銘を金象嵌にする。
  • 身長64.8 反り1.0 元幅3.0 先幅2.5 鋒長5.9 茎長16.7 (㎝)
  • 1口
  • 福岡市博物館 福岡県福岡市早良区百道浜3-1-1
  • 重文指定年月日:19360918
    国宝指定年月日:19530331
    登録年月日:
  • 福岡市
  • 国宝・重要文化財(美術品)

本阿弥光徳が長谷部国重の作と極めて金象嵌銘を施した刀である。身幅が広く、大鋒の姿から、南北朝時代に活躍し、一説に鎌倉の名工五郎入道正宗十哲のうちの一人といわれた国重の作と見られる。もとは大太刀であったものを刀に仕立直している。
『享保名物帳』に所載の「へし切長谷部」が本刀である。織田信長所持で、茶坊主観内が敵対したので手討にしたが、御前の下に隠れたので、棚下に刀を差し込み、圧し切ってしまったため「へし切長谷部」と名付けられたという。
現存する長谷部一派の作の中でも、有銘無銘を通じて比肩すべきもののない傑作である。

刀〈金象嵌銘長谷部国重本阿花押(名物へし切長谷部)/黒田筑前守〉

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