華原磬 かげんけい

工芸品 / 

  • 鋳銅製で、下方に獅子が前脚を伸ばし、尾を立ててうずくまり、その背部に六角柱を縦、これに四竜が尾を絡ませ、腹部を半円形に曲げて立ち上がり、頸部において相合った姿を現す。その腹部の空間には金鼓を架し、表裏の左側の竜が左前脚を上に伸ばして小円盤を捧げている。
    磬は円形で、両面より併せ、その間を僅かに両耳と下方との三カ所で継いだ特異なものである。
  • 総高94.0 金鼓径24.0 (㎝)
  • 1基
  • 重文指定年月日:19010802
    国宝指定年月日:19520329
    登録年月日:
  • 興福寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

この磬架は、形状手法とも傑出すいた作で、未だに他に類を見ない。古くから興福寺西金堂で用いられていた梵音具で、当初は金鼓と呼ばれていたが、いつの頃からか華原磬と称されている。なお、磬は当初のものではなく、鎌倉時代の補作と考えられる。
失われた部分もあり、和製・唐製の説があるが、いずれにしても鋳物の精緻な技術や、構成の妙は金工史上非常に貴重である。

華原磬

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