紫綾威鎧〈大袖付/〉
むらさきあやおどしよろい〈おおそでつき〉
工芸品 / 鎌倉
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鎌倉
- 平札黒漆塗、哲革札一枚交じり、威毛麻布心、紫地小葵文綾包後補。耳糸、畦目啄木後補。菱縫紅猿鞣。前立挙二段、後押付板、逆板、三の板三段、衝胴四段、草摺脇楯共四間五段、前後菱縫板二間に割る。胴裾開き、金具廻、革所花文襷入獅子円文染韋包、ただし弦走韋獅子牡丹文染韋後補。覆輪鍍金、端喰紅韋、白綾八双鋲、裾文金物透入車輪座、車軸頭鋲、脇楯、壺板孔三弧、栴檀、鳩尾板あり。大袖六段、水呑緒鐶を裏に打つ。各緒所後補。
- 胴高68.2 大袖高43.0 (㎝)
- 1領
- 重文指定年月日:19530331
国宝指定年月日:19530331
登録年月日:
- 大山祇神社
- 国宝・重要文化財(美術品)
綾威鎧の類品は、厳島神社の浅黄綾威鎧、当社の萌黄綾褄取威鎧と本鎧が知られているに過ぎず、稀少の遺品である。就中この鎧は最も古く、染韋の意匠や文金物、小札、金具大廻の形状などから鎌倉初期と考えられる。兜はなく、部分的に後補があるが、総体によく原形を残し、豪壮華麗な趣がうかがえる。