工芸品 金工 / 南北朝
平造り大振りの寸延短刀である。広光は相模国正宗の弟子または子と伝える。その二字銘には、角張る書体と、このように丸みのあるものがある。後者は広光の後期すなわち延文頃(1356〜60)とみられる。地肌は板目に地斑が交じり、刃文は丁子文を主調とした皆焼となり、沸が強く金筋と砂流しが入る。あたかも真夏の入道雲が大空に湧き上がるように、粗めの沸が躍動感を見せている。
脇指 銘 広光
短刀〈銘相模国住人広光/延文五年八月日〉
相模国住人広光
剣〈銘江州甘呂俊長/延文五年庚子〉
甘呂俊長