工芸品 陶磁 / 江戸
茶巾盥とは水屋用具のひとつで、茶巾・茶筅・箸を浸け置きしたり、洗う時に使用するたらいのこと。罅焼は焼成時に陶土と釉薬の収縮率の違いにより罅が入るもので、その後、使い込むことにより罅に色がつくようになるが、本作は焼成後、人為的に罅に墨をしみこませて着色したものと推測される。鍋島焼の青磁罅焼は作例が少ないが、佐賀藩主鍋島家には本作のほかに同時代、同仕様の茶碗・水指・丁子風炉が伝わる。10代佐賀藩主鍋島直正が弘化3年(1846)、佐賀城下郊外に設けた別邸の神野御茶屋で用いた御道具のひとつ。
焼締糸目結形水指
銀夕顔形水注
山水人物彫竹筆立