壬生狂言
みぶきょうげん
概要
中京区の壬生寺で大念仏会(四月二十一日~同月二十九日)などの折に演じられるもので、寺伝によれば、正安二(一三〇〇)年、壬生寺中興の祖、円覚上人が融通念仏を修し、その念仏の意味を大衆にわかり易く説明するために仕組んだのがその始まりという。上演曲目には、「炮烙割」「桶取」「棒振」「紅葉狩」など二十数番を伝承している。仮面をつけた黙劇で、鰐口、締太鼓、横笛の囃子で演じるもので、独特の演技、演出法を持っている。また能楽とくに狂言の変遷過程を知る上でも、我が国の芸能史上重要な地位を占めるものである。