上中の六斎念仏
かみなかのろくさいねんぶつ
概要
この芸能は、福井県遠敷郡上中町に伝承されるもので、盆の八月十三日、十四日に行なわれる。念仏踊の一種で、月の六斎日に念仏を修し、特に盆の供養念仏として演じられ、少年のたずさわる六斎念仏として地方的な特色の濃いものである。
楽器には鉦・太鼓が用いられ、鉦には鎌倉末期の記銘があり、相当の古風がしのばれる。一方、演技にたずさわる七、八歳から十五、六歳までの少年に、青年会(若衆組)に加入するための通過儀礼的な民俗のある点、芸能史の資料としても貴重である。
芸能は、部落の各戸を巡り、また、寺院、墓地などでも踊られる。その曲目には、三宅地区では獅子・牡丹・千鳥など五種、瓜生地区では一天かえし・みだれ・かけかんじょうなど六種があり、それぞれ融通和讃・しばや和讃などの念仏和讃を伝承している。
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