絵画  素描 / 昭和以降 / 日本 

松本竣介 (1912-1948)
まつもとしゅんすけ
1946(昭和21)年
インク・紙
24×28
額装

 松本竣介は、昭和二十三年、気管支喘息をこじらせて突然、帰らぬ人となった。
三十六歳だった。
 中学に上がる直前に失った聴覚、戦争」長女の死、悲劇の画家というイメージが強いが、一方、戦時統制を批判する論文「生きてゐる画家」(昭和十六年)を発表した。
 《画家の像》(昭和十六年)、《立てる像》(昭和十七年)では強い意志を体中にみなぎらせている。
 悲劇と、生きる意志との相克の上に 立つ竣介のイメージ、これが私の先入観であり、本素描に対しても、その先入観を頼りにただ何となく、都会の孤独を見ていた。
 この薄っペらな鑑賞に立体感を与えてくれたのは、先日の回顧展(愛知県美術館)である。
 彼の線がきっかけとなった。竣介はモチーフによって線を使い分ける。
ときに定規を使ったようにシャープに、ときに稚拙に。
 細部へのこのようなこだわりは、竣介が半ばエンジニア的に画面づくりをしていたことの表れだ。線だけではない。建物や、人の配意など、構図の実験も繰り返された。似たような構図の作品が、いくつも生まれた。
 竣介の絵が持つ詩は、心の勢いというより、画面づくりというひた向きな行為に支えられているのである。 (桑名麻理)

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