Y市の橋

油彩画 

松本竣介 (1912-1948)
マツモト、シュンスケ
昭和18年/1943
油彩・キャンバス・額・1面
61.0×73.0
「松本竣介・島崎鶏二展」(「運河風景」) 神奈川県立近代美術館ほか 1958

132 松本竣介(1912−1948) Y市の橋 1943年
 東京生まれ。岩手県での幼少期、聴力を失った。1929年上京、太平洋画会研究所に学ぶ。35年二科展初入選。40年九室会会員。翌年二科会会友、また『みづゑ』に「生きてゐる画家」を投稿。43年新人画会結成。46年日本美術会創立に参加、47年自由美術家協会会員。
 Y市とは横浜市のことで、横浜駅にほど近い新田間川にかかる月見橋と国鉄の工場、そして京浜線と国鉄を跨ぐ黒いアーチ状の跨線橋が描かれている。松本は、都会とそこに生活する人々を、ヒューマニスティックな視点から詩情豊かに描いたが、その抒情性を支える堅牢な下地と的確な線描も見逃せない。加えてこの作品では、薄く何度も塗り重ねられた絵具による沈んだ青い色調が印象的であり、水面の反映像に見られるような繊細な描写ともあいまって静謐な世界をつくりあげている。

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