並木道

油彩画 

松本竣介 (1912-1948)
マツモト、シュンスケ
昭和18年/1943
油彩・キャンバス・額・1面
33.0×41.0
2回新人画会展 東京、日本楽器画廊 1943

32
並木道
A Treeーlined Street
1943年
油彩・麻布 33.0×41.0cm
小さなスケッチ帳が残されており、その一ぺ一ジにはこの作品のもとになったと思われる風景がおさめられている。ここから、この風景は、都内の本郷通りが神田小川町から聖橋へむかって登り坂になっている地点から描かれたと推察されている。したがって画面左側に描かれた小さな坂道の側には、彼によってたびたびとりあげられ、また現在も残るニコライ堂があり、画面中央の坂道の上には御茶ノ水駅があるというわけである。現在もこの周辺は並木道となっているが、車が激しく行き交うなか、道の両側には高層ビルがそびえている。しかし、この作品をみると、どこを描いたかと問う気をおこさせないような、詩的で完結した小世界がつくられている。やや極端な遠近法をもちいた構成は緊密であるが、決して統一されたものではない。どこか息をつけるような不整合さが、道を行くひとりの男の姿とともに、安らぎを感じさせる。ただし、静かで、のどかな都会風景といってしまうには、画面はかげりのある緊張におおわれているのも事実である。それは、時代の大きなうねりに誠実に対峙(たいじ)しようとする、彼自身の内面を反映しているからであろう。戦禍(せんか)が拡大し、自由な制作発表が限られていた状況のなかで、青年画家8人による同志的つながりで開かれた新人画会の第2回展に出品された作品である。

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