城山

絵画 油彩画

  • 梅原龍三郎  (1888-1986)
  • ウメハラ、リュウザブロウ
  • 昭和12年 / 1937
  • 油彩、岩絵具・キャンバス・額・1面
  • 81.0×65.0
  • 左下に署名
  • 13回国画会展 東京府美術館 1938

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城山   一面

梅原龍三郎
油彩、岩絵具・キャンパス
八一・〇×六五・〇
昭和十二年(一九三七)
東京国立近代美術館
作者寄贈

イタリアのヴェスヴィオ山に匹敵する景観として桜島に魅せられた梅原龍三郎(一八八八〜一九八六)は、昭和九年(一九三四)以来たびたび鹿児島を訪れた。この作品も昭和十二年(一九三七)秋の鹿児島滞在中に描かれたものであるが、一連の桜島の作品の雄大さとは少し趣を異にしており、狭いところにひしめき合って建つ家屋と鬱蒼と茂る樹木が画面のほとんどを占める密度の濃い画面である。木々の深い緑と屋根の青が画面の主調を成しながら、所々挿入された紅葉等の赤が絶妙なかたちで効いており、梅原ならではの卓越した色彩感覚が実によく冴えた作品といえよう。油彩画の透明感を嫌って梅原はしばしば油絵具と併用して岩絵具を用いており、ここでもこの技法を採用している。実際、そうした技法上の工夫が、深い緑や青にずっしりとした現実感を吹き込み、力強く、生き生きとした躍動感あふれる画面を形造るのに大いに役立っている。昭和十三年(一九三八)第十三回国画会展出品作。


城山

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